会議やインタビューを録音したものの、「雑音が多くて聞き取りづらい」「文字起こしの精度が心配」という経験はありませんか。
実は、録音環境やちょっとした工夫によって、雑音は大きく減らすことができます。
この記事では、文字起こしを前提とした、会議室や屋外での録音のそれぞれについて、雑音を抑える具体的なテクニックをわかりやすく解説します。
雑音が多い音声は文字起こしの精度に影響する
文字起こしの精度を高めるには、話者の声がどれだけクリアに録れているかが重要です。
雑音が多い音声には、次のような問題が起こりやすくなります。
- 繰り返し聞き返すため、作業時間が長くなる
- 聞き間違いや不明瞭箇所が増える
- 複数人の話者がいる場合、判別が難しくなる
結果として、納期が延びたり、追加料金が発生する可能性もあります。
そのため、録音段階で雑音を減らすことが大切です。
会議室で雑音を減らす録音テクニック
エアコン・換気音を事前に確認する
会議室で意外と多いのが、エアコンや換気扇の音です。可能であれば、以下を試してみましょう。
- 録音中は一時的に風量を弱めたり、換気扇を止めたりする
- 会議が始まる前に、テスト録音して確認する
一定の低音ノイズは、人間の耳で聞く分には気にならないレベルでも、文字起こし時に思いのほか邪魔になります。
録音機器を置く位置に気を付ける
ICレコーダーやスマートフォンは、ついつい録音者の手元に置いてしまいがちです。以下の点に気を付けましょう。
- 机の中央に録音機器を置くなど、マイクから遠い話者をつくらない
- 録音機器を置くときは、紙の擦れる音、キーボード音が入らないところに
- 自分の手元で録音したいときは、会議の端の席や、部屋の隅などはなるべく避ける
基本的には、録音機器を話者にできるだけ近づけることで、相対的に雑音を抑えられます。
資料音・ペン音を減らす声かけをする
会議前に一言伝えるだけでも効果があります。
- 「録音するので、資料をめくる音にご注意ください」
- 「発言するときは少し大きめの声でお願いします」
こうした配慮が、録音品質を大きく左右します。
屋外で雑音を減らす録音テクニック
風対策を最優先にする
屋外録音で最大の敵は「風」です。録音後に音声を聞いて、風切り音が想像以上に大きくて驚くことがあります。
おもな対策としては、
- ウィンドスクリーン(風防)など、物理的な遮蔽物を設置する
- 自身の体、建物、壁際、車、木などを遮蔽物として利用し、風を遮る位置に移動する
- マイクを風上ではなく、風下に向ける
風の音は後からの修正が非常に難しくなりますが、これだけの注意でも音質は大きく改善します。
騒音源から距離を取る
屋外には、次のような突発的な雑音があります。
- 道路の近くなど、車やバイクの走行音
- 工事音
- 周囲の話し声
録音前に周囲を観察し、少し場所を変えるだけで雑音を避けられることも多いです。
雑音を減らすために共通して意識したいポイント
録音前に必ずテスト録音をする
録音本番前にテストで録音し、以下をチェックしましょう。
- 声がはっきり聞こえるか
- 雑音が想像以上に大きくないか
録音前は何かと忙しいものですが、この一手間が失敗を防ぎます。
可能であれば外付けマイクを使う
スマートフォン内蔵マイクよりも、ピンマイクや指向性マイクの方が雑音を抑えやすくなります。
文字起こしを前提とする場合、音声品質への投資は結果的にコスト削減につながります。
雑音があっても文字起こしは可能?
普段、録音に慣れていない方は、気を付けていても結果的に、「雑音が多い音声を録ってしまった」ということも少なくありません。
それでも、文字起こし自体が不可能になるわけではありませんが、以下の点は避けられません。
- 不明瞭箇所が増える
- 確認作業が多くなる
- 作業時間が長くなる
といった点から、事前に音声の状態を伝えることが重要です。
専門業者であれば、対応可否や注意点を事前に案内してもらえます。
まとめ|録音の工夫が文字起こし品質を左右する
会議室・屋外どちらの録音でも、「声をクリアに、雑音を遠ざける」ことが基本です。
- 会議室では反響音・機械音に注意
- 屋外では風と騒音対策を最優先
- 録音前のテストとマイク位置が重要
少しの工夫で、文字起こしの精度・スピードは大きく向上します。
これから録音を行う方は、ぜひ実践してみてください。